2009年5月30日のブログ 晋州仮面劇フェスティバル二日目

例年だと前の晩にたくさん飲んでしまい朝食をパスすることが多かったが、最近酒量が減っているのでなんとか起きられる。

歩いて2,3分のところにある食堂が今年の朝食の場所で、汁ものの店である。この日は豆腐の汁で絹ごしの食感の豆腐がたくさん入っていて、辛くないので神楽の人たちにも好評。

8年前は朝食の時から焼酎を飲んでいたなあ、と思い出す。

11 時から日韓中の三カ国が「獅子舞」についていろいろ報告をするシンポジウム。まずは石鳩岡神楽の権現舞を舞台で軽く披露。そのあと東京から来てもらった井 上隆弘先生が報告をする。中国、韓国は獅子舞の歴史を報告していたが、井上先生は日本列島土着の動物霊の死霊祭儀と渡来の獅子舞という観点で、かなり深い 内容の報告をしてくれた。

僕は井上先生の後に、少しだけ獅子舞の多様な姿を紹介。本当は「討論者」として井上先生の報告に対して質問をしたりする役割なのだが、学者じゃないし、獅子舞は詳しくないので質問はナシにした。

博物館の食堂でのビビンバの昼食をはさんで、庭で中国と韓国の獅子舞の披露。上海から来た中国のは信仰性はなしでただ派手なだけ。中国人の好みもあるが、国の事情で信仰面での「復元」は難しいようだ。

16時にシンポジウムが終わり、宿へ戻って9月の伊勢大神楽ソウル公演の打ち合わせをしてから、仮面劇フェスティバルの会場へかけつける。神楽の出番は18時である。

実は今回、石鳩岡神楽理のメンバーが一人急に来ることが出来なくなって、演目の関係から僕も手伝うことになったのである。何をするかというと「岩戸開き」の演目の天照大神の役なんだけど、ほとんどの神楽で岩戸開きのアマテラスはじっとして動かないので誰でも出来ると言えば出来る役なのである。

衣装を着させてもらって、スタンバイ。早池峰神楽は舞台の後ろに幕を張り、そこから出入りをするのだが天照大神はその幕の後ろに座り、岩戸が開いたということで幕を上げて姿を現すのである。

「あまり上を向かないよう」と面を下げられてしまったので地面しか見えず、舞の様子が全然見えなかったのが残念。終わった後みんなから「拝ませてもらいました(笑)」とからかわれた。

無事に神楽が終わり、毎年夕食の場所になっている近くのコムタンの店でビール&焼酎で乾杯。

そして早めに宿へ戻ったのだが、スタッフが一軒飲みに行きましょう、ということで連れて行ってくれたのが僕の大好きなピョンヤンピンデトックの店。神楽の人たちがすっかり気に入ってしまったマッコリとともに一年ぶりに食べることが出来た。。

部屋に戻って直会。石鳩岡神楽では権現舞で神様に捧げた御神酒をその夜にいただくというしきたりがあるのだ。太鼓の上に権現さまを安置して御神酒を供え、お参りをしてから飲むのである。実に真面目に酒を飲むというわけ。

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text & photo ⓒ Toshimi Mikami